農地転用許可申請
太陽光設備の運営、維持、管理を中心に行政書士業務をやっている関係上、農地転用の依頼を受けることが多いです。今回はその農地転用に関しての記事により情報の共有を図りたいと思います。
農地転用許可申請をできる者は本人、又は行政書士と決まっているのですが、実は行政書士よりも農地法に詳しいのは宅地建物取引士だと思っています。理由は、農地法は行政書士の試験範囲ではなく、宅建士の試験範囲だからです。ですので、宅建士の方が農地法を知っていると思います。ですが、宅建士も勉強するのは3条~5条のみですのでそんなには詳しくはないというのが、両方の試験を受験した私の感想です。
それでは農地転用とは何かという事から解説をしていきたいと思います。
農地転用とは
現在の農地を農地ではなく、他の目的、用途の為に地目を変更する手続きの事です。
日本は(あくまで)カロリーベースの食料自給率が低空飛行していることから農地というものを農地法というものでガチガチに規定しております。農地を勝手に農業用以外には使用させないぞってしていると思っていただければ宜しいかと思います。その様にして法律によって農地を守っているわけです。
そしてこれは結構ある事なんですが、地目が田、畑、採草放牧地が基本的に農地とされているのですが、各関係市町村の農業委員会が地目が原野や山林であっても台帳に勝手に農地と決めているケースがあり、その様な場合も農地以外で使用する場合はこの農地転用をする必要があります。
地目とは
登記簿上に記載のある用途であり、これが基本的な考え方になります。
農地の地目には、田、畑、採草放牧地があります。
地目 | 用途 |
---|---|
田 | 田として使用する土地 |
畑 | 畑として使用する土地 |
採草放牧地 | 家畜を育てるための土地 |
田と畑はわかると思うのですが、採草放牧地は一般の人間にはわかりにくいかと思いますが、宮崎県は畜産業が盛んですのでこの採草放牧地を見かける事がたまにあります。
田と畑の考え方にほとんど差はないですが、農地転用に関しての差は水利組合があるかないかの差だと思って頂いて宜しいかと思います。場所毎に例外はあるので絶対にそうだとは言い切れませんので、それは1つずつ農業委員会に確認する必要があります。
申請の違いとは
農地転用申請は主に3種類に分類されます。
申請の種類 | それぞれの違い |
---|---|
3条申請 | 農地を農地として売買・賃貸など |
4条申請 | 農地を自己転用(売買などではない) |
5条申請 | 農地を農地以外にするための売買・賃貸など |
一覧にすると上記になるのですが、詳しい説明か下記の通りです。
農地法第3条の許可
①農地を農地として売買・賃貸など
②採草放牧地を採草放牧地として売買・賃貸など
③農業委員会の許可
④市街化区域内の農地であっても許可(届出ではない)
⑤農地や採草放牧地の全てを効率的に利用して耕作や養畜の事業を行うと認められない場合は不許可になる
⑥農業所有的確法人以外の法人が所有権を取得しようとする場合は不許可となる
農地法第4条の許可
①農地を自己転用(売買などではない)
②都道府県知事の許可
③市街化区域内の農地であれば、農業委員会への届出でOK
※農地のみ許可制度の対象。採草放牧地の自己転用は対象外
150㎡(2アール)未満の自己転用は農地法4条の許可は不要
農地法第5条の許可
①農地を農地以外にするための売買・賃貸など
②採草放牧地を採草放牧地以外にするための売買・賃貸など
③都道府県知事の許可
④市街化区域内の農地・採草放牧地であれば、農業委員会への届出でOK
申請先
各市町村役場の農業委員会へ申請をします。
事前に確認しておくこと
1.農地の種類
必ず確認してください。基本的には第2種と第3種農地しか転用できません。
農地の種類 | 例 | 転用可否 |
---|---|---|
農振内農用地域内 | 絶対農地に使用する農地 | 原則不可 |
甲種種農地 | 市街化調整区域内農地であっても、8年以内に土地改良事業を行った農地など、優良な農地等 | 原則不可 |
第1種農地 | 10ha以上の広がりのある農地 | 原則不可 |
第2種農地 | 駅から500メートル以内にある等市街化が見込まれる、生産性の無い農地 | 転用できる可能性あり |
第3種農地 | 駅から300メートル以内にある等、市街化が著しく見込まれる農地 | 原則許可 |
2.埋蔵文化財関係
これは各市町村役場の教育委員会で確認できる事が多いです。
3.受益地関係
畑かん関係を農畜産振興課で確認できる事が多いです。
4.土地改良区
入っているとちょっと厄介です。
それこそケースバイケースですが、特別徴収金等の問題を解決してやらないといけない場合があります。
5.農振関係
青地だと転用できないです。農業振興地域であるかどうか農用地区域内であるかどうか農政林務課等で確認します。
各種申請について
太陽光設備導入のための5条申請
転用後の報告について
1.5倍ルールとは
隣接する土地との一体利用規定とは
開発許可
農家に優遇されている事項
条例について
市町村景観条例
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